神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉の病気を扱う診療科です。対象となる疾患は本来多岐にわたりますが、特に当院の場合は、パーキンソン病や脊髄小脳変性症といった脳神経の難病や、筋ジストロフィーといった筋肉の難病を専門的に診療しています。
症状としては下記のようなものが対象となります。
・動作が遅くなった
・歩きにくくなった
・手先がうまく使えなくなった
・言葉がしゃべりにくくなった
このような症状がある場合、神経内科を受診していただくとよいと思います。
なお、こころの病による症状は当科では診ておりませんので、他院の心療内科、精神神経科に受診ください。
1)パーキンソン病
いまなお根治療法のない難病ではありますが、現在、抗パーキンソン病薬は10種類以上使えるようになり、それらをうまく組み合わせることで長期間にわたり病状をコントロールできるようになっています。そのためには、きめ細かい薬の調整が必要であり、診療では特にその点に重点をおいて行っています。
また、近年、脳深部刺激療法という手術によって病状をコントロールする方法も使われるようになっています。当院の脳神経外科が専門的にその手術を行っていますので、連携しながら最も良い治療法を選択・決定するよう努めています。
2)脊髄小脳変性症・多系統萎縮症
運動失調などのため身体が不自由になるだけでなく、嚥下の問題、ならびに自律神経系の障害により排尿、血圧、呼吸などに様々な問題が起こりうる疾患でもあります。長期的な観点でみた場合、これらの問題点にいかに対処していくかは重要なことであり、診療では特にその点に重点をおいて行っています。
1)デュシェンヌ型筋ジストロフィー
全身の筋力低下に伴う様々な問題点に対処するには、患者家族と医師・看護師だけではなく、周囲(学校の先生など)の理解・協力も不可欠ですし、リハビリ部門との連携も重要になります。これらの点に力を入れるとともに、さらには呼吸機能や心機能の定期的なチェックも行っています。呼吸機能の低下が疑われた場合には、短期入院のうえで鼻マスク式人工呼吸療法(NPPV)の導入をしています。
2)筋強直性ジストロフィー
成人の筋ジストロフィーの中で最も多いタイプです。発症年齢や症状の程度は様々で、それに応じて定期的に検査など行いフォローすることになります。