具体的には、てんかん・頭痛・発達の問題(運動・ことば・学習の遅れ)・行動の問題(多動・不注意、対人関係のトラブルが多いなど)・睡眠・四肢の麻痺 等です。
①てんかん:
けいれんをする、意識がなくなる、突然力がぬける、等様々の症状を呈する病気です。小児神経疾患の中でもっとも頻度の高い疾患です。当院では、特にてんかんの診断・治療に力を入れております。詳細な問診・脳波検査・頭部MRI検査で、てんかん発作の種類を適切に見極め、治療を行っています。てんかん発作をより詳細に分析する必要がある場合、長時間ビデオ脳波モニタリング検査も行っています。通常は、抗てんかん薬による薬物療法を行いますが、難治性てんかんで外科的治療が必要な場合は、てんかん外科専門医(脳神経外科)と連携して診療を行っています。当院は奈良県における「てんかん支援拠点病院」の指定を受けており、病気の治療のみならず、心理社会的な問題(心の悩み、進路・就職の問題など)の解決も含めて取り組んでいます。
②発達の遅れ:
首のすわりが遅い、歩くのが遅い、ことばが遅い、等の相談も行っています。発達の遅れについては、原因となる病態がないかについて、血液検査や頭部MRI検査などを行います。治療が可能な疾患がある場合は、積極的に治療を行います。また、発達を促す療育につなげたり、訓練が必要な場合、理学療法・作業療法・言語療法等の紹介も行っています。
③脳性麻痺等の重症心身障害:
脳障害による四肢の運動麻痺、筋緊張の異常(四肢が突っ張る、硬い)と知的発達の遅れを伴う疾患です。体幹の変形をともなっていることも多く、呼吸状態・摂食嚥下状態・てんかんの治療・骨密度の評価・筋緊張の治療(ボトックスの導入など)など、トータルケアが必要になります。当院では、長期入所事業・短期入所事業・通所事業等も行っておりますので、利用をご希望の方は、受診をしてください。
④注意欠如多動症・自閉スペクトラム症・限局性学習症、
チック、不登校、心身症など:
集中力がない、人とのトラブルが多い、などの行動の異常についても相談を行っています。年齢とともにおさまったり、適応がよくなることもありますが、次第に自分に自信がもてなくなったり、抑うつ傾向が強まることもあります。お子様の特性にあった対応について一緒に考えたり、ときには薬物療法を併用したりします。
チックは、次第に様々の治療が提案されるようになってきています。日常生活が円滑に行えるように、患者様にあった対応や治療を行ってゆきます。
体調不良を伴った不登校支援も行っており、ゆっくりと、自分にあった学校生活をみつけられるように支援しています。
⑤睡眠障害:
睡眠に問題がある状態が続くと、脳機能の低下、発達や成長の問題、自律神経の乱れ、自尊心の低下、家族や友人関係の悪化などを招く恐れがあります。睡眠の問題は大切と認識されていますが、こどもの睡眠を専門的にみる医療機関はまだ少ないのが現状です。そこで、当院では、こどもの睡眠障害を専門的に診療する外来を開設しています。
⑥頭痛:
小児にもよくみられる症状です。頭痛のタイプによる適切な治療・生活指導を行います。
⑦筋疾患・末梢神経障害・代謝性疾患など:
原因不明の進行性神経難病について、診断を行います。遺伝子検査等、当院で不可能な検査については、関係機関と連携を取りながら、診断・治療を進めます。筋ジストロフィーをはじめとした筋疾患についても、脳神経内科医と連携をとりながら、病状に応じた治療の導入を行います。
小児神経科が専門とする疾患は、完治するものもありますが、病気と上手に付き合ってゆく必要のある疾患もたくさんあります。病気を持ちながらも、その患者様にとってよりよい毎日が送れるように、進歩する最先端の医療をできるだけ治療に折り混ぜること・一緒に治療を考えてゆくこと、を目指して日々診療をしております。どのようなことがあっても、みなさまひとりひとりが未来に希望をもって生きていけるようになりますように・・。該当疾患でお困りの場合、どうぞ小児神経科にご相談ください。(完全予約制にしております。)
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